第17回アンデルセン公園きりがみコンクール
入賞作品発表
第17回を迎えた「アンデルセン公園きりがみコンクール」には、小学生以下の部966点、中学生の部296点、一般の部213点、応募総数1,475点の作品が寄せられました。たくさんのご応募をいただき、誠にありがとうございました。今回も多くの地域から、力作揃いの素晴らしい作品が集まりました。
アンデルセン公園きりがみ大賞
旅の物語
アンデルセン童話:ぶどう酒びんのふしぎな旅
角瀬龍音 (かくらい りゅうき)
船橋市立豊富中学校 / 中2 ( 千葉県船橋市 )
講評
小鳥の水飲みになった割れたビンの首。そんな小さなモノの中に長い長い旅の記憶が秘められています。アンデルセンは本当に素晴らしいストーリーテラーですね。身の回りにあるあらゆるモノに、それぞれの物語があるのだということに気付く時、私たちの世界は豊かな輝きを放ちます。シックな色合いとシンプルな形で、心に染みる静かで詩情あふれた作品になりました。(下中菜穂/審査員長)
物語を深く読み取る力がひときわ印象に残った作品です。描かれているのは物語の後半、ビンが庭園でロウソク立てとして使われる場面を思わせます。ビンの中には、これまでに出会った人々との思い出がモノトーンで映し出されています。ロウソクの明かりとなった現実と回想とを自然に結びつけることで、物語の時間の流れを丁寧にすくい取っています。アンデルセン童話の魅力を象徴する一枚です。(高橋庸平/審査員)
もの想う酒びんが、透明感のある手法でクリアかつシャープに表現されています。シルエットの使い方も効果的です。(平野ニーナ/審査員)
アンデルセン公園子ども美術館賞
おしゃれなガマガエル
アンデルセン童話:親指姫
重松海多 (しげまつ うた)
アトリエセラセラ / 小3 ( 神奈川県横浜市 )
講評
鮮やかな絵の具を塗った紙や布が画面いっぱいに散らばっていて美しい。じっと目を凝らすとカエルやタガメ(かな?)、ドングリや葉っぱが見えてきます。水溜まりの中で擬態する生き物の世界をのぞいたみたい。カエルはオシャレをして、これから親指姫にプロポーズをしに行くんですね。その表情にもカエルくんの意気込みが感じられます。(下中菜穂/審査員長)
親指姫をお嫁さんにしようとする、カエルのドキドキした気持ちが伝わってくる一枚です。最初に目に飛び込んでくるのは、色とりどりの模様に彩られたオシャレなカエル。その姿が物語の世界観を豊かに広げています。さらに、葉っぱや虫、木の実といった周囲の描写も丁寧で細部にまで心が配られていることが伝わります。表現力の高さが感じられる作品です。(高橋庸平/審査員)
一見して画面の構成が素晴らしく、楽しく、センスよく、そして美しい作品に仕上がっています。(平野ニーナ/審査員)
デンマーク大使賞
Under the sea
アンデルセン童話:人魚姫
戸島恵子 (としま けいこ)
一般 ( 千葉県白井市 )
講評
『 Under the Sea 』は、『人魚姫』を題材としながら、黒い海に広がる青い波や魚の表現が、デンマークの海の風景を思い起こさせました。静かでありながら奥行きのある画面構成が印象的で、見るほどに引き込まれます。(ヤール・フリース=マスン/駐日デンマーク王国大使)
命が湧き上がるような海の表現に心奪われました。人魚姫は「喜びも悲しみも全部が混じり合い命が巡る海の底に還る」のだと作者。人魚姫が海の泡になったのは悲劇の結末ではなく巡る命の一部になって、母なる海の懐に還っていったのですね。そんな物語の解釈に深い共感を覚えました。(下中菜穂/審査員長)
オーデンセ市賞
大きなさかなにたべられる
アンデルセン童話:すずの兵隊
由井蒼葉 (ゆい あおば)
四街道市立四街道小学校 / 小2 ( 千葉県四街道市 )
講評
[訳文]この切り紙からは、しっかり者のすずの兵隊が大きな魚に向かって、濁った水の中を渦巻きながら進んでいく躍動感が伝わってきます。たとえ物語の内容を知らなくても、この後に兵隊が魚に飲み込まれてしまうという避けられない運命を予感させる構成になっています。作品はシンプルな形と鮮やかな色彩を用いることで、兵隊が直面する試練を見事に描き出しました。兵隊は、愛する踊り子のことを思いながら、ただ静かに運命を受け入れる硬直した姿として表現されています。一方で、隅で待ち構える黒く威圧的な魚は獲物を狙う準備を整えており、緑色の水や海藻の描写が、そこが底に近い危険で濁った場所であることを暗示しています。(マッス・ルンゲ/ミュージアムオーデンセ開発責任者)
You can almost sense the movement in the paper cutout, how the steadfast tin soldier whirls through the water towards the fish. Even if you don't know the fairy tale, you can predict the inevitable: that in a moment the little soldier will be swallowed by the big fish. The paper cutout captures the tin soldier's trials in the finest way through simple figures and clear colors. The soldier as a stiff figure who must passively accept his fate and simply let the next thing happen, while thinking of the pretty little ballerina. The fish, black and intimidating, waits in the corner, ready to take its prey. The green water shows us that the water is murky and dangerous, and the few leaves indicate that the bottom is near.(Mads Runge)
ゆっくりと水底に沈んでいくすずの兵隊。えんぴつのように細くて頼りないその姿。海藻の林の中で、それを待ち構える大きな魚の大きな口。まるでスローモーションのシーンを見るようです。大胆な構成で「面白いな〜」と思った場面を素直に描いているところが魅力的です。(下中菜穂/審査員長)
アンデルセン博物館賞
「もみの木」の一生
アンデルセン童話:もみの木
伊藤明子 (いとう あきこ)
一般 ( 愛知県春日井市 )
講評
[訳文]細部まで作り込まれた圧倒的な装飾と、色彩豊かな要素の相互作用によって、この切り紙には見る者を一瞬で引き込むような躍動感とダイナミズムが宿っています。作品の中では、自然界で生きていた頃の木の姿と、居間で華やかに飾られた姿が一つに統合されています。その描写には、美しさや陽気な側面がある一方で、どこか暗くもの悲しい側面も併せ持っているのが特徴です。全体として、技術面でも構成面でも極めて完成度が高く、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの精神に通じるような、魔法のごとき物語の力を感じさせる素晴らしい作品です。 (マッス・ルンゲ/ミュージアムオーデンセ開発責任者)
The impressive amount of beautifully crafted details and the striking interplay of colors among the many elements of the paper cut give the illustration a vividness and dynamism that immediately draws the viewer in and brings the fairy tale of The Fir Tree to life. The paper cut succeeds in uniting elements from the tree's life in nature with its decorated form in the living room. Thus, the papercut contains on the one hand beauty and cheerfulness, and on the other a darker, more somber side. Overall, the paper cut is an exceptionally well executed work, both technically and compositionally, while also possessing the magical storytelling power that is entirely in the spirit of Hans Christian Andersen. ( Mads Runge)
やがて燃やされ、炭となってしまう運命を背負ったもみの木。その前夜となる楽しいひとときが描かれています。モールと針葉樹の葉がひとつに絡まり合い、きらびやかな祝祭の雰囲気を生き生きと伝えています。さらにツリーには、アンデルセン自身も親しんだ切り紙の手法によるオーナメントが飾られ、物語と技法とが重なり合っています。喜びの時間と、その先に待つ運命の両面が見事に表現されています。(高橋庸平/審査員)
ヴィレ・ヴァウ賞
みにくいあひるの子
アンデルセン童話:みにくいアヒルの子
貞野壮志 (さだの そうし)
船橋市立小栗原小学校 / 小3 ( 千葉県船橋市 )
講評
[訳文]この作品は、形式と内容が非常に美しい形で一体となっています。自分自身の価値を見出すという物語のテーマにおいて、素材の選択が重要な役割を果たしています。紙くずや古新聞の切り抜きから「他とは違う」鳥の形を作り出すことで、見過ごされがちなものの中にも美しさや強さが宿っているというメッセージを強調しています。無数の文字の断片や色が混ざり合うことで、不完全さがむしろ作品の強みへと昇華されました。また、暗い背景は中央のアヒルを際立たせると同時に、アヒルの子が白鳥へと生まれ変わる前に乗り越えなければならない困難を象徴しています。(マッス・ルンゲ/ミュージアムオーデンセ開発責任者)
The work unites form and content in the most beautiful way. The motif depicts The Ugly Duckling - a figure that is about discovering one's own worth - and the choice of materials is central to its meaning. That a "different" bird is shaped from scraps and discarded newspaper clippings emphasizes the message that something overlooked can contain beauty and strength. The many text fragments, images, and colors merge into a whole in which imperfection becomes a strength. The dark background highlights the figure and symbolizes the difficulties the duckling must go through before emerging as a swan. (Mads Runge)
画面いっぱいに広がる印刷物の切れ端の塊。それがアヒルの子であると気がつき、ハッとしました。紙の重なりに、羽毛の感触や体温、重さを感じます。そして、丁寧に並んだ水色の涙の清らかなこと!アヒルの子のことが、たまらなく愛おしく感じ、そっと抱きしめたくなります。(下中菜穂/審査員長)
我が生涯の物語賞
孤独
アンデルセン童話:すずの兵隊
太田凌雅 (おおた りょうが)
浜松開誠館高等学校 / 高1 ( 静岡県浜松市 )
講評
[訳文]しっかりもののすずの兵隊は、人生の試練の象徴として、火の中や水の中を突き進みます。自分を飲み込もうとする力に囲まれながらも、彼は愛に対してどこまでも忠実であり続けるのです。(メッテ・ゲンツ/アンデルセン賞委員会)
The Steadfast Tin Soldier walks through fire and water as an image of life's trials. Surrounded by forces that seek to consume him, he remains steadfast in love. (Mette Genz)
物語の終盤、水の中へと沈んでいく兵隊が中心に構成された作品です。円形の画面は窓のようでもあり、私たちが外側からその運命を静かに見つめているかのような没入感を生み出しています。トレーシングペーパーによる水の表現は上品であると同時に、どこか隔たりのある静けさをも生み出しています。結末の情景を抽出しながら、物語の本質へと踏み込もうとする構成が光ります。(高橋庸平/審査員)
日本デンマーク協会賞
ひとりぽっちのカラス
アンデルセン童話:みにくいアヒルの子
小泉夢 (こいずみ ゆめ)
八街市立八街南中学校 / 中1 ( 千葉県八街市 )
講評
多くの作品の中で、この作品が何故か胸を打つものがありました。仲間からはずれ、あたりは暗くなり始めている。「僕はどうしたら良いんだろう」と不安な目が訴えています。背景の暗い色を基調に、悲しげな白い目に作品を観る者の気持ちが注がれ、カラスの訴えが共有される、優れた心理描写です。(佐野利男/日本デンマーク協会会長)
息をのむ大胆なカッティングに、黒と青のエレガントな濡羽色、姿のよいカラスに目をうばわれます。(平野ニーナ/審査員)
船橋市長賞
ないている少女
アンデルセン童話:マッチ売りの少女
楯彰人 (たて あきと)
船橋市立小栗原小学校 / 小3 ( 千葉県船橋市 )
講評
マッチ売りの少女の深い悲しみを、自分でちぎった紙で迷いなく表現しています。また、少女の表情もその悲しみを強く訴えていて、本当に素晴らしい作品だと思います。(松戸徹/船橋市長)
よくある可哀そうなマッチ売りの少女とは一味ちがいます。立ち向かうような泣き顔や、踏みしめた足は力強く、なんだか、目が離せません。(平野ニーナ/審査員)
船橋市教育長賞
アンデルセンとうみヘビ
アンデルセン童話:大きなうみヘビ
角頼侑磨 (かくらい ゆうま)
船橋市立豊富中学校 / 中1 ( 千葉県船橋市 )
講評
大きな海蛇が海の中でキラキラと輝きながら、人間世界を支え、未来を見据えているような情景が新鮮で、とても素晴らしい切り紙だと思いました。(松本淳/船橋市教育長)
フレッシュで明るい色づかい、漂う水草と海ヘビの表現もすてき。黒くて小さなダイバーが、もの凄く効いてます。(平野ニーナ/審査員)
一般の部|優秀賞
裸の王様
アンデルセン童話:はだかの王様
髙橋楽 (たかはし らく)
名古屋市立名東高等学校 / 高2 ( 愛知県名古屋市 )
講評
赤いカーテンを割って、今まさに大衆の面前に出て行こうとする裸の王様の背中。その息を呑むような瞬間を選んで作品にしたのはユニークな視点です。映画ならまさにクライマックス。人々の反応はいかに?内心の驚きと混乱を隠して、お互いの顔色を探り合い、嘘をつく人々。その一瞬前を描くのは秀逸なアイデアですね。その後ろ姿に滑稽さと悲哀が入り混じります。ちぎった紙を重ねる手法で画面に厚みが生まれました。(下中菜穂/審査員長)
一般の部|優良賞
fall~堕ちる~
アンデルセン童話:パンを踏んだ娘
今西真己 (いまにし まき)
一般 ( 奈良県奈良市 )
講評
少女がパンを踏んで沼へと沈んでいく場面が、まるでアニメーション映画のフィルムを見るかのように構成されています。シルエットによって表現された少女の動きが、緊張感のある転落の瞬間を強く印象づけます。そして、最後に置かれた空白のひとコマが、その後の運命を静かに想像させ、深い余韻を残します。物語の展開を巧みに視覚化した作品です。(高橋庸平/審査員)
一般の部|優良賞
旅立ち
アンデルセン童話:親指姫
名古薫 (なご かおる)
一般 ( 東京都港区 )
講評
段ボールの断面を巧みに使って、物質感のある土を表現しています。それが、モグラの棲む暗い土の世界から、ツバメに乗ってひらりと飛び立つ親指姫の軽やかさを引き立てていますね。ダンボールという素材の温かみをよく引き出しています。鮮やかな色彩を効果的に配置したところも素敵です。(下中菜穂/審査員長)
一般の部|優良賞
物語の終わり
アンデルセン童話:マッチ売りの少女
中里宇汰志 (なかさと うたし)
浜松開誠館高等学校 / 高1 ( 静岡県浜松市 )
講評
少女が闇の中でマッチを擦る場面が描かれています。画面全体を覆う深い暗さは、これほどまでに少女の過ごした夜が冷たく暗かったのかと想像させます。黒い画面の中には、わずかに異なるトーンや質感が丁寧に重ねられ、目を凝らすと使用済みのマッチや残り火が静かに浮かび上がります。その暗さは、物語の結末に漂う緊張感を強く印象づける演出として機能しています。(高橋庸平/審査員)
中学生の部|優秀賞
教会で赤いくつは
アンデルセン童話:赤い靴
藤田ひかる (ふじた ひかる)
船橋市立豊富中学校 / 中1 ( 千葉県船橋市 )
講評
画面いっぱいに散りばめられた三角片。その中で異物のように混じる赤いカケラがふたつ。教会の中でひとりだけ赤い靴を履いた少女を、こんなふうに抽象として描いたのが面白い。これは教会で赤い靴をはくのは不謹慎とされた時代のお話しです。でも、禁じられても鮮やかな赤い靴に魅入られていく少女の姿は、現在の私たちの生きる社会にも通ずる何かがありそうですね。あなたにとっての「赤い靴」ってなんでしょうか?(下中菜穂/審査員長)
中学生の部|優良賞
赤いくつ
アンデルセン童話:赤い靴
齋藤ひなた (さいとう ひなた)
船橋市立豊富中学校 / 中2 ( 千葉県船橋市 )
講評
束縛から逃げゆく赤いくつ、それが厚底のブーツなんてなんだか格好良くて、すごく新しい。(平野ニーナ/審査員)
中学生の部|優良賞
踊ってない夜を知らない
アンデルセン童話:イーダちゃんのお花
堀蓮介 (ほり れんすけ)
船橋市立古和釜中学校 / 中3 ( 千葉県船橋市 )
講評
学生とイーダちゃんの会話で始まるこの物語。それはアンデルセン自身が子どもたちにお話を聞かせている様子そのものです。夜な夜な舞踏会で踊りまくる花たちの姿が見えるのはふたりだけ。物語はその力を信じる人の存在があって初めて動き出します。このふたりの体に写真のコラージュを使ったことで、現実と想像の世界が溶け合う不思議な世界が立ち現れました。お花の踊りをブレイクダンスにしたという作者のユーモアも素敵。(下中菜穂/審査員長)
中学生の部|優良賞
積み重なる布団
アンデルセン童話:エンドウ豆の上に寝たお姫さま
益子柚花 (ますこ ゆずか)
船橋市立豊富中学校 / 中3 ( 千葉県船橋市 )
講評
お姫様もエンドウ豆もお布団も、アイコンのようなイメージで表現している所が新鮮。現代アートみたいでお部屋に飾りたいです。(平野ニーナ/審査員)
小学生以下の部|優秀賞
月を見るひよこ
アンデルセン童話:つきがみたはなし
高城蓮 (たかぎ れん)
稲敷市立あずま北小学校 / 小2 ( 茨城県稲敷市 )
講評
大きな大きな月のやさしさが、画面いっぱいに広がる作品です。夜ごとに高い空から地上を見つめ、さまざまな物語を語る月。その光に照らされた地上の小さな命であるひよこたちの色合いからは、どことなく夜のしんとした静けさが感じられます。あたたかく見守りながら静かに照らす月のまなざしという『つきがみたはなし』の大切なテーマが、やさしく描き出されています。(高橋庸平/審査員)
小学生以下の部|優良賞
いじめ
アンデルセン童話:みにくいアヒルの子
石川雅樹 (いしかわ まさき)
柏市立風早北部小学校 / 小1 ( 千葉県柏市 )
講評
ぎゅうぎゅうに詰まった画面がドラマチックで、追いつめられるあひるの子の気持ちが伝わります。カッティングセンスの良さを感じます。(平野ニーナ/審査員)
小学生以下の部|優良賞
はくちょうになったよ
アンデルセン童話:みにくいアヒルの子
石井耀太 (いしい ようた)
稲敷市立高田小学校 / 小1 ( 茨城県稲敷市 )
講評
美しい白鳥に姿を変えた場面です。白い画面の中に白い白鳥を描くのは、とても難しい表現ですが、輪郭線を生かすアイデアでその姿をはっきりと見せています。さらに、使う色の数を少なくしたことで、白鳥の姿がより印象に残ります。画面全体のバランスや余白の使い方にも工夫があり、物語の大切な場面がすっきりと伝わってきます。シンプルでありながら、よく考えられた作品です。(高橋庸平/審査員)
小学生以下の部|優良賞
黒の王様
アンデルセン童話:はだかの王様
中島明日香 (なかじま あすか)
豊中市立中豊島小学校 / 小4 ( 大阪府豊中市 )
講評
暗闇の中に立つ王さまの姿が描かれています。更衣室で衣服を脱いでいる場面のようにも見えますが、「くらかったら はだかでも わからない」というメッセージからは、作者の優しさが伝わります。一方で、深い闇に包まれていても大きなギョロリとした目と王冠だけがはっきりと浮かび上がっているところに、さりげないユーモアがあります。見えないことを逆手にとった、発想のおもしろさが光る表現です。(高橋庸平/審査員)
アンデルセン公園開園30周年記念特別賞
神の国を攻める船
アンデルセン童話:わるい王様
矢戸陽子 (やと ようこ)
一般 ( 埼玉県三郷市 )
講評
暗闇に浮かぶ、綺麗色な迷彩模様の帆船がお洒落で、気付くとダークなファンタジーの世界へと引き込まれます。(平野ニーナ/審査員)
特別審査員
駐日デンマーク王国大使
Jarl Frijs-Madsen
(ヤール・ フリース=マスン)
外交・貿易等を中心にデンマークからの対外国関係に25年以上従事。デンマーク外務省で様々な役職を歴任した。 直近では、ニューヨークで総領事、ノルウェー・オランダ・カナダで大使を務め、2024年12月より現職。行政セクター以外に、民間でのコンサルティングや銀行業務の経験も有する。コペンハーゲン大学経済学修士。
審査員長
切り紙研究家/東京造形大学講師
下中菜穂
千葉県生まれ/江戸時代の『紋きり遊び』を通して「かたち」に込められた祖先の暮らしぶりや精神を紹介。「文様を暮らしの中で楽しむ」文化、手仕事を現代に蘇らせるべく、出版やワークショップ、展覧会などで活動。中国の農村、東北の「きりこ」などもフィールドワークし、世界や日本の今も活きている切り紙の文化を研究。著書に『紋切り型』のシリーズ(エクスプランテ)、『こども文様ずかん』(平凡社)、『切り紙もんきり遊び かたちを贈る』(宝島社)など他多数。
審査員
イラストレーター/多摩美術大学グラフィックデザイン学科准教授
高橋庸平
千葉県生まれ/多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻修了、博士号取得
故・秋山孝氏に長年にわたり師事し、イラストレーターとしても国内外において数々の受賞歴がある。主な受賞にFUKUDAポスター大賞2005
最優秀賞、日本ブックデザイン賞2016ブックジャケット・文庫版部門 金の本賞、モスクワ国際グラフィックデザインビエンナーレ2016 Golden
Bee賞(ロシア)、グラフィスポスター年鑑2021 金賞(アメリカ) ほか
審査員
水彩画家/造形作家
平野ニーナ
デンマーク・コペンハーゲン出身/フランスではアルベルト・ジャコメッティーやシャガール、ミロなどの多くの有名な芸術家の取材に立ち会うなど恵まれた環境の中で育まれた豊かな感性に日本古来の美との出会いから新たに生まれた高い芸術的世界観を持ち合わせて、個展や地域の芸術普及を目的とした活動を若手作家とともに行っている。
審査会の様子
作品の応募状況
応募の内訳(点数)
| 計 | |
|---|---|
| 一般の部 | 213 |
| 中学生の部 | 296 |
| 小学生以下の部 | 966 |
| 総計 | 1,475 |
応募があった地域(19都道府県)
茨城県・ 埼玉県・ 東京都・ 神奈川県・ 新潟県・ 石川県・ 福井県・ 長野県・ 静岡県・ 愛知県・ 滋賀県・ 大阪府・ 兵庫県・ 奈良県・ 岡山県・ 山口県・ 佐賀県・ 宮崎県・ 千葉県 ( 船橋市・ 千葉市・ 東金市・ 習志野市・ 柏市・ 四街道市・ 白井市・ 横芝光町・ 市川市・ 八街市・ 松戸市 )